国際社会の懸念を無視して弾道ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、日米を中心に国際社会は経済制裁を強化する方向で動いています。
しかし、北朝鮮の貿易の9割を占めると言われている中国にその気が無いなので、経済制裁は効果をあげていません。
これに対しトランプ大統領は、SNSで「私は中国にたいへん失望している。我々(米国)の過去の愚かな指導者たちが貿易で中国に年間何千億ドルも稼がせたのに、中国は北朝鮮に関して口先だけで我々のために何もしてくれない」などと書き込みました。
こうしたトランプ大統領の認識は正しいと言えます。
過去、米国は対日貿易赤字が拡大した際に、執拗な「ジャパン・バッシング」を行いました。
しかし、現在の対中貿易赤字はその際の対日貿易赤字を上回っているにもかかわらず容認してきました。
その結果、中国は経済大国になったばかりでなく、軍事大国になろうとしています。
もしも国際社会が無防備に中国を儲けさせなかったら、中国がここまで軍事拡大ができなかったでしょうし、北朝鮮に対する対応も変わっていた可能性があります。
トランプ大統領が、“対中包囲網として構想されたTTP”から離脱した背景には、関税強化により中国との貿易を調整したほうが効果が高いと考えていることがあるとの指摘があります。
国際社会は中国との貿易のあり方についても考え直す時に来ているかもしれません。