ニミッツ級に代わる米軍の新型空母フォード級の一番艦が就役しました。
これにより、約5年ぶりに空母11隻体制が復活し、世界各地での米軍の戦力投射能力が向上します。
米軍は国の財政赤字が拡大する中で、建造費や維持費に莫大なコストを必要とする空母の減数を迫られていた時期がありましたが、トランプ政権下では空母12隻体制の構築を目指しています。
ただ、新型空母は1隻当たりの能力は向上するものの、中国の急速な軍拡等を踏まえれば、空母12隻体制であっても十分とは言えません。
また、今後、米海兵隊では、制空任務もこなすことができる最新鋭のステルス戦闘機F-35Bが順次配備され、揚陸艦への搭載が進めば、揚陸艦が空母を補完することも可能となります。
しかし、一方で、揚陸艦を空母と同様に運用するには限界があります。
米国も地域の安定維持のためには同盟国との協力が重要としていますから、米空母を補完し、かつ防衛力を強化するためにも、自衛隊が空母を保有することを検討すべき段階にきています。
世界各国は、象徴的な意味合いで空母を持つ国も少なくありませんが、広大な海洋国家である日本ほど、防衛上、空母の持つ意味合いが大きな国は有りません。
中国は、現在就役している空母の他に、新たに少なくとも2隻の空母を建造しているとされ、その数は増えると見られています。
よって、このままでは、近い将来、日本の海洋上の制空権を奪われるような事態になりかねません。
ですから、現在、海自で運用中のヘリコプター搭載護衛艦DDHへのF-35B搭載を含め、どのようにすれば財源を確保して空母を保有できるのかを具体的に検討すべき時にきていると考えます。