6月8日朝、北朝鮮が日本海に向けてミサイル数発を発射し、日本でも各マスコミが速報し、一時、日本中の不安が高まったのではないでしょうか。
政府は、発射されたのが地対艦ミサイルと分かると、わが国の安全保障に影響を与えるものではないとして国家安全保障会議は招集せず、北朝鮮に対する抗議も行いませんでした。
確かに、北朝鮮によるミサイル発射は4週連続であり、日本全体が“慣れてきている”と言えるかもしれません。
しかし、報道によれば今回発射されたのは「地対艦“巡航”ミサイル」という聞きなれない名前のミサイルです。
兵器名に明確な定義があるわけではありませんが、例えば、「トマホーク」などの巡航ミサイルに対艦攻撃能力を付与したミサイルがこれにあたるかもしれません。
一般的な地対艦ミサイルの射程距離は、標的の探知距離の関係などから、数十キロメートルから数百キロメートルとされ、北朝鮮から発射する場合、確かに日本への直接の脅威とはなりません。
しかし、北朝鮮が巡航ミサイルの開発を行っているのであれば、射程距離は更に長い可能性があります。
「地対艦巡航ミサイル」の意味するところは不明ですが、対艦攻撃モードと対地攻撃モードを切り替えられる類の兵器であれば、日本への脅威となるものです。
今回発射されたミサイルは巡航ミサイルでない可能性が高いと考えられますが、北朝鮮は弾道ミサイルの開発を行っている以上、長射程の巡航ミサイルの開発を行っていない保証はありません。
政府は、北朝鮮に関しては、弾道ミサイルばかりに気を取られているようですが、巡航ミサイルによる攻撃も想定した対応を検討する必要があるのではないでしょうか。