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2017/06/07【米国抜きの一帯一路に肩入れしても未来がない?】

 最近、日中間で関係改善の動きが活発化しています。
中でも、中国が掲げる「一帯一路」構想について、協力に慎重だった安倍首相が、一転して協力に前向きな姿勢を示しました。

 一帯一路構想は、中国からアフリカを含めた欧州にかけて一大経済圏を構築するものですが、中国の軍事的な覇権拡大と密接に関わっていると言われています。
しかも、地理的な側面から見ると、米国は完全に圏外であり、中国は米国抜きの経済圏を構築して域内で経済的・軍事的な影響力を行使したい思惑が見て取れます。

 ですから、一帯一路構想への協力に慎重だった安倍首相の姿勢は評価できるものでしたが、今回、強力に前向きな姿勢を示したことで、日本が中国の思惑に飲込まれないか心配されます。

 安倍首相としては、低迷する国内経済の活性化に一帯一路を利用したり、次期総選挙で中国との関係改善を成果としてアピールしたりという打算にも似た思惑があるのかもしれません。

 しかし、中国経済に過度に依存すると、韓国などように中国の顔色を伺いながら国家運営をせざるを得なくなります。

 現在の外交情勢を鑑みるならば、日本が行うべきことは、米国とともに民主主義国家として経済を主導していくことだということは明らかです。

 一帯一路構想に協力を示している国の中には、中国主導の経済圏構築に警戒感を持っている国が少なからずあります。
そうした国々との協力を視野に入れた中国包囲網を構築することこそ、リーダー国家日本が取るべき道と考えます。