一定の所得以上の介護サービス利用者の自己負担割合を引き上げることなどを盛り込んだ介護保険関連法案が、衆院厚生労働委員会で可決され、今後、衆院本会議で採決される見込みです。
今回の法案は社会保障費が増大する中でやむを得ない側面がありますが、社会保障制度全体を抜本的に見直さなければ、今回の改正だけでは焼け石に水です。
近年、働き盛りの世代が家族の介護のために離職せざるを得ない「介護離職」が増加し社会問題となっています。
そうした人々が職場復帰するために、ホームヘルパーやデイサービスなどの介護サービスを利用した場合、サービス種別や要介護度にもよりますが1時間当たり2千円程度の費用が掛かると言われています。
自己負担割合は現在2割とは言え、たいへんな金額です。
家族を介護している知人も、「国から1時間当たり2千円近い費用負担をしてもらって介護サービスを受け、自分はその間に時給1千円にも満たないパートをやっている。経済的・社会的にバランスが取れていないのではないか」と嘆いていました。
また、現在の制度のもとで老人ホームなどを開設しようとすると、利用者1人につき最大0.7人の各種人員が必要な場合があり、今後、高齢者の人口が増加する中では、就労者の多くが介護分野に携らなければならない状況になり、現在の制度は現実的ではなくってしまいます。
やはり、幸福実現党が掲げているように、「生涯現役社会」、「家族の結び付きの強化」、更には、地域社会や宗教的なネットワークを活用して高齢者の暮らしをサポートすることで、健康の維持増進を図り、介護費や医療費の抑制に繋げる必要があるのではないでしょうか。