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2017/02/01【安倍首相はどこまで国益を確保できるのか】

 トランプ大統領は、日米の貿易不均衡を問題視しており、中でも自動車がやり玉に上がっています。

 トランプ氏は、日本の自動車市場について何を参入障壁と考えているのか不明ですが、既に、日本からの輸出には2.5%の関税がかかる一方で、米国からの輸入には関税がかからないため、実際は米側が優遇されているとも言えます。

 しかし、日本独自の車検制度や、同じく日本独自の軽自動車の規格などが、米国製の自動車の販売を難しくしているとの指摘もあるため、こうした日本独自の制度の撤廃や緩和が今後の日米貿易交渉で議題となるかもしれません。

 ただ、同じ輸入車であっても、ドイツ車などの欧州勢は日本国内で堅調に売れているため、米国メーカーの自動車が日本国内で売れない理由は、単純に日本のユーザーの嗜好に合った製品を提供できていないためとも言えそうです。
つまり、日本で米国車を売るには、メーカー側が如何に魅力的な自動車を作れるかということが大きいということです。

 いずれにせよ、今後、貿易について日米の間で二国間交渉が始まることになれば、弁護士出身のオバマ前大統領を相手にしていた時とは異なり、ビジネスに長けたトランプ氏を相手に、タフな交渉を強いられることになるはずです。

 トランプ氏は幾度かの失敗を乗り越えて、巨万の富を築いた実業家です。
首脳外交の成果を自負する安倍首相ですが、ビジネスの経験の無い安倍首相が、トランプ氏を相手にどこまで国益を確保できるのか心配に感じます。