東京電力HDの数土会長は、年頭のあいさつで、他電力会社との再編統合を目指す旨を述べました。
これは、柏崎刈羽原発の再稼動が見通せない中で、福島第一原発の事故処理費用が2倍規模まで膨らむとの試算が出て、財務体質の強化が必要と判断したためと思われます。
確かに、柏崎刈羽原発の再稼動のカギを握る一人である新潟県の米山知事は、再稼動に慎重な姿勢を示しています。
ただ、米山氏は、共産・社民・自由の再稼動に反対する3党などから、原発再稼動に反対している知事に祭り上げられた感があります。
しかし、実際は、米山氏の姿勢はあくまでも「再稼動に慎重」という姿勢です。
実際、米山氏の年頭の記者会見でも、「福島第一原発の事故原因や、住民の健康や生活に及ぼす影響、そして事故に備えた避難方法の3つの検証がなされないかぎり認められない」と改めて明言しています(※)。
これは、つまり「3つの検証がなされれば再稼動を認める」ということになります。
米山氏の真意は、「これら3つの検証が行われたとしても、いくらでも難癖を付けられるので、再稼動などできない。あくまでも再稼動容認派を引きとめておくための口実だ」ということなのか、あるいは「科学的かつ客観的な検証がなされれば、県民に説明がつくので、予断を持たずに再稼動を認める」と考えているのかなど、はかりかねる部分はあります。
しかし、見方によっては、既に3つの検証の結論は明らかになりつつあります。
政治家の約束はたいへん重いものですから、きちんと筋を通してもらいたいと思います。
原発の再稼動は経済的なメリットだけではなく、国家の安全保障に関わる問題です。
政府と東京電力においても、再稼動に向けて課題を真摯に一つ一つクリアしてもらいたいと考えます。
※:1月4日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/1035529931.html?t=1483536328171