長時間労働が社会問題化しており、今月召集される国会では、与野党ともに長時間労働を規制する法案の成立を目指しています。
電通の事件でも明らかになったように行き過ぎた長時間労働には歯止めをかける必要があります。
一方で、長時間労働を一律に「悪」と決めつける風潮に違和感を覚える人も多いのではないでしょうか。
なぜならば、本来、働くことは美徳であり、戦後、日本が急速に発展したのも、「モーレツ社員」と揶揄されることもあったように、人々が長時間労働もいとわずに一生懸命働いたことも一つの要因でしょう。
そうした日本の経済成長期には、欧米流の時間的にもゆとりのある生活にあこがれたものですが、年間の労働時間を比べてみると、今や、日本は米国よりも少なく、イタリアよりも少し多い水準となっています(※)。
ですから、諸外国と比べて、日本は必ずしも労働時間の“総量”を減らす必要はないのではないでしょうか。
働き方改革と称して、より短い時間で成果を出す働き方が推奨されますが、人間の能力は一律ではないため、人一倍時間をかけることで有能な人材と同じ成果を出すことを選択する人もいるでしょう。
また、働き方改革により、新たに生まれた時間を余暇など仕事以外に費やすことも人生の充実に繋がることもある一方で、働くことそのものに生きがいを感じ仕事以外のものに時間を費やしたくないという人もいるでしょう。
大切なのは、個人がどのような働き方をしたいのか選べる環境を整えるということだと考えます。
長時間労働の規制が、日本の経済活動の足かせとなり、国力を弱める方向に繋がっては本末転倒になると考えます。
※:『ザ・リバティ1月号』幸福の科学出版http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1775