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2016/12/27【中国軍の空母が威容を誇示】

 中国軍の空母「遼寧」が、初めて沖縄本島と宮古島の間の海峡を通過して太平洋に抜け、その後、南シナ海に向かっている模様です。
遼寧には、駆逐艦とフリゲート艦計5隻が随伴しているとのことですが、米軍の空母打撃群を参考にするならば、この他にも海面下には潜水艦が随伴している可能性があります。

 遼寧は、様々な問題から作戦運用段階にないとの推測もありますが、今回、艦隊として遠洋での航海が確認されたことで、空母機動部隊としての運用能力が向上していることは間違いありません。

 今後は、搭載している戦闘機「J-15」が兵装した状態で発着艦が可能か、本当に艦載機同士で空中給油を行う能力があるのか、有効な艦載の警戒機を装備しているかなどが、遼寧の能力を判断する上でカギになりそうです。

 また、中国では、既に遼寧と同等の国産空母が建造中であることが確認されていますし、中国軍関係者によれば、この他にも上海で艦載機発艦用のカタパルトを装備した本格的な空母を建造していることを認めています。

 こうしたことから、中国軍が装備する対艦弾道弾と合わせれば、近い将来、中国軍が想定する南西諸島と台湾を結ぶ第一列島線の中国側の制海権が中国の手中に収まる事態にもなりかねません。

 日本はこの現実を直視して、早急に防衛力の向上を図らなければなりません。
先に発表された29年度予算で、防衛費は過去最大の5兆円余りと見積もられていますが、中国の軍拡を踏まえれば到底十分とは言えません。
国防債の発行など新たな防衛予算確保の方法を真剣に考えなければならないのではないでしょうか。