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2016/12/22【同一労働同一賃金は是か非か?イチロー選手にたとえると・・・】

 政府は、働き方改革実現会議で、同一労働同一賃金の実現に向けたガイドライン案を示しました。
 

 このガイドライン案では、「正規労働者と非正規労働者の間の不合理な待遇差を認めない」としており、正規労働者と同じ労働をしていながら賃金が低い非正規労働者にとっては朗報かもしれません。

 しかし、知り合いの中小企業の経営者の中には次のように話す人もいます。
「具体的に法制度が確定したわけではないが、人件費を増やせない中で同一賃金を実現しようとすれば、正規労働者の賃金を減らして同一賃金を実現せざるを得ない。もしも、正規労働者の賃金を減らさないことが前提条件となれば、雇用そのものを減らさざるを得ない。」

 これが、中小企業の現場の実情ではないでしょうか。
同一労働同一賃金の実現は、聞こえはいいですが、日本経済にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。

 また、働き方改革実現会議の中で議論になった同一労働の定義にも懸念が残ります。
例えば、イチロー選手が放ったヒットと、無名のルーキーが打ったヒット、どちらも同じ1本の安打に過ぎませんが、同じ価値と見なしてもいいのでしょうか。

 格差是正が行き過ぎると、働く意欲をも削ぎかねません。
本来、労働市場で決めるべき労働の価値を、政府が主導して画一的に決めてしまうことに、共産主義的なものを感じてしまいます。