連日、高齢者ドライバーによる痛ましい交通事故が起きています。
12日には都内で歩行者2人がひかれて亡くなっていますし、同じ日に山形県で店舗に車が突っ込んで3人がけがをしています。
事故原因は調査中とのことですが、最新の安全デバイスが装備されていれば、あるいは防げた事故もあったかもしれません。
しかし、人間が主体となって運転する以上は、人為的なミスによる事故をゼロにすることは困難です。
そこで、現在、自動車メーカーに限らず、IT企業などが自動運転技術の開発に力を注いでいます。
自動運転技術は、ドライバーの疲労軽減、移動の際のエネルギーの節約、渋滞の緩和、果ては過疎地の移動手段確保など様々なメリットがありますが、その中でも自動車事故を無くすことが大きな目的となっています。
日本の交通事故の死亡者数は、減少傾向にあるとは言え、毎年4千人以上の方が亡くなっています。
選挙など政治の世界において、「事故から命を守る」という観点では、原発について語られることが圧倒的に多いのですが、死亡者の数では、実際には放射能が直接影響して亡くなった人はいない福島の原発事故と、交通事故とでは比べるべくもありません。
政府は、法制度の整備を中心に自動運転技術の確立を後押ししていますが、本気で自動車事故による死者を無くすために、開発をもっと後押ししてもいいのではないでしょうか。
自動運転技術は、ハード面よりもAIを含めたソフト面がカギと言われており、その意味で外国のIT企業がこの分野で覇権を握る可能性があります。
日本が自動運転技術で世界をリードできるように、政府と民間が一丸となって開発を進める必要があります。
モータリゼーションが発展した理由の一つに運転の楽しさがあることは間違いなく、それをどう確保するかと言う課題はありますが、「人間が自らの判断だけで自動車を運転していたなんて、何て野蛮なことをしていたんだろう」と思える日が来ることを願いたいと思います。