ベールに包まれていた中国軍の最新鋭ステルス戦闘機「J-20」が、初めてメディアの前でデモフライトを行いました(※)。
機体そのものが大型である上、主翼や尾翼とは確度が異なる全動式のカナード翼の存在、ベントラルフィンの存在など、必ずしもステルス性に優位に働く要素ばかりではないように見えますが、スペック等の詳細は公表されていないため、その性能については様々な憶測があります。
少なくとも、現在、中国軍が配備を進めているロシア製の「Su-27」系列の派生型である「J-11」の能力を上回っているのであれば、周辺諸国にとって一定の脅威となることは間違いありません。
自衛隊もこうした中国軍の能力向上に対しては、米国製ステルス戦闘機「F-35」の導入、現在の主力機戦闘機である「F-15」の近代化改修、更には、国産ステルス戦闘機の開発などを遅滞なく進める必要があります。
一方で、中国軍の急速な能力向上により、安全保障上の脅威が高まっているのが台湾です。
今までは、量で勝る中国軍に対して、台湾軍は質で優位に立つことで、中台間の軍事バランスを確保してきました。
しかし、中国を刺激したくない米国の思惑により、台湾は思うように国防のための装備を調達することができておらず、質の面での優位性に疑念を持たれるようになっています。
例えば、台湾空軍の装備は、米国製「F-16」戦闘機の初期型、フランス製「ミラージュ2000」戦闘機、国産の「経国」戦闘機など、いずれも電子機器などが随時アップデートされているものの一世代前の機体ばかりです。
このままでは台湾の自由と独立が危ぶまれます。
米国は、台湾への武器の輸出を緩和するとともに、日本も台湾への具体的な防衛協力を検討すべきではないでしょうか。
※:11月1日付産経新聞http://www.sankei.com/world/news/161101/wor1611010032-n1.html