柏崎刈羽原発の再稼動に影響を与える新潟県知事選が16日に投開票を迎えます。
しかし、再稼動を容認している与党が推薦する候補者も、再稼動に反対している野党が推薦する候補者も、再稼動の賛否を明確に表明している訳ではありません。
再稼動に反対する勢力は野党系の候補者に投票するように呼びかけており、野党系の候補者が勝利すれば、再稼動に反対の民意が示されたことにしたいようですが、実際のところ、野党系の候補者は「福島の事故の検証がなされなければ、再稼動の議論は始められない」としているだけです。
しかも、今回の知事選は再稼動問題が最大の争点としておきながら、選挙の構図を更に分かりにくくしている原因が民進党にもあります。
民進党は、支持母体の一つに電力会社系の労組があることなどを理由に、今回の選挙戦では候補者の擁立や推薦を断念して自主投票を決めました。
しかし、選挙戦の終盤に来て、与党系の候補者と野党系の候補者の接戦が伝えられると、民主党の蓮舫代表が、急きょ新潟入りし野党系の候補者の応援を行いました。
民進党は、自主投票を決めておきながら、当の代表が特定の候補者を応援するという、極めて異例の事態となっています。
蓮舫氏としては、野党系の候補者が勝利した場合、民進党の功績にしたいという思惑があるのかもしれませんが、そこに大義はありません。
7月の参院選新潟選挙区では、与党の候補者が僅差で再稼動に反対する野党系の候補者に敗れましたが、与党の候補者の得票と、明確に再稼動の必要性を訴えていた幸福実現党の横井もとゆき氏の得票を合わせれば、当選した野党系の候補者の得票を上回っていました。
今回の新潟県知事選は現在の政治を象徴しているのではないでしょうか。
選挙を分かりにくくしているのは、既存の国政政党に問題があるからです。
再稼動に対する姿勢で筋が通っているのは幸福実現党だけです。