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2016/09/24【なぜ政治参加の自由が侵害されるのか】

 各政党が使った昨年の政党助成金の総額は、約260億円でした(※)。
主な内訳は、経常経費が140億円、宣伝事業費が49億円、選挙関係費が33億円、組織活動費が21億円とのことです。

 選挙関係費は候補者に支給する公認料や推薦料などですが、事務所費などの経常経費や、ポスターやパンフレットの作成費用などの宣伝事業費、更に大会費や行事費などの組織活動費も、有権者に対する平素からの政治活動費と考えれば、政党助成金の多くが選挙に関係するお金として費やされていると言えます。
 

 共産党は政党助成金を受け取っていませんが、その他の既成政党は、政党助成金という税金で選挙活動を行っていることになります。

 一方で、新規参入する政党は、訴えている政策の如何や、組織の確かさなどに関係なく、政党助成金を受け取ることができません。
ですから、政党助成金と言う観点からは、既成政党と新規参入政党の間では、公正な選挙とは言えない面があります。
 

 これは、選挙の供託金についても言えます。
政党要件を満たしていない政党からの候補者は立候補にあたって供託金を支払わなければならず、選挙結果によって供託金は国庫に納められます。

 政党助成金は金権政治を抑制する趣旨などで導入されましたし、供託金も売名目的などで立候補することを抑制する趣旨があり、それぞれ理解できる部分もありますが、いずれも政治への新規参入を阻害している側面があることも事実です。
憲法には、政治参加の自由が保障されていますから、何らかの見直しが必要ではないでしょうか。

※:9月23日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20160923/k10010704341000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_012