米軍の攻撃機1機が沖縄の嘉手納基地を飛び立った後、沖縄本島東方約150キロメートルの海上に墜落しました。
墜落したのは、垂直離着陸が可能な「AV-8」と呼ばれる機体で、嘉手納基地にはAV-8は所属していないので、米海兵隊岩国基地の所属機が訓練のため嘉手納基地を訪れていた可能性があります。
パイロットは墜落直後に救出された模様です。
米軍が現有するAV-8は、半世紀以上前に開発が始まった英国の「ハリアー」攻撃機を、1970年代に入って米国が大幅に改良したもので、老朽化が隠せません。
実際、AV-8の事故率は、単純に老朽化だけが原因とは言えないものの、一部で欠陥機とのイメージを持たれている「オスプレイ」よりも高くなっています。
こうしたこともあってか、沖縄などでは今回の事故を受けて反基地運動が強まることが予想されます。
沖縄県の翁長知事が、「一歩間違えば、人命、財産に関わる重大な事故につながりかねず、米軍基地と隣り合わせの生活を余儀なくされている県民に大きな不安を与えるもので、大変遺憾だ(※)」と述べているように、沖縄だけに危険を押し付けているイメージを持たれる人もいるかもしれません。
確かに、基地の近隣住民の方々の不安な気持ちは理解できますし、その意味で、市街地に隣接する普天間基地の移設を早期に実現すべきだと考えます。
一方で、米国は、嫌がらせで危険な機体を日本に押し付けている訳ではありません。
そうした機体に搭乗している米国の若者も、米国人にとっては息子や娘であり、父や母でもあるのです。
彼ら彼女らは、米国や同盟国を守るという使命感を持って、危険な任務に就いているのです。
私たち日本人は、こうした事実にも目を向ける必要があるのではないでしょうか。
※:9月22日付NHKニュース:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160922/k10010703151000.html?utm_int=news_contents_news-main_001