日銀は、金融政策決定会合を開き、金融緩和を強化することを決めました。
これは、依然として物価上昇率2%を達成できないためで、達成できない理由を、「企業や家計の間に根強いデフレ心理があり、物価の上昇が続くという見方が広がらないため」としています。
今後、日銀は、長期金利が0%程度で推移するよう国債の買い入れを行う措置を導入することを決めました。
ただ、今回の金融緩和の強化が、実際の投資や消費に繋がるかは不透明です。
早速、株式市場では、マイナス金利政策が見直されるという観測のもと、銀行株などが買われ株価が大きく上昇しましたが、経済全体にどの程度波及するかは分かりません。
多くの企業はいくら金融緩和によりお金を借りやすくなったとしても、バブル崩壊後の貸し剥がしの記憶が鮮明に残っている状況に変わりはありません。
よって、消費増税は先送りになったとは言え、撤回されたわけではなく、増税という確実に経済を冷え込ませる要素が将来に控えているからです。
これは、家計にとっても同様で、将来、消費税の増税が、税率10%だけでなく、その後も上がっていくのであれば、財布の紐は堅いままです。
ですから、まずは消費増税を撤回し、未来への不安の払拭し、その上で、政府は、大規模な金融緩和が行われているうちに、新たな投資先として成長戦略を具現化する必要があるのではないでしょうか。