米空軍は現有の主力戦闘機の一つである「F-15」7百数十機について、改修を実施することで2040年まで運用する計画を明らかにしました(※)。
もともとF-15はステルス戦闘機「F-22」に置き換える計画でしたが、F-22は機体価格の高騰や過剰性能などを理由に、当初の計画を大幅に下回る200機程度で調達が終了してしまいました。
米軍では、ステルス戦闘機「F-35」の配備もようやく始まりましたが、攻撃機としての色彩の強いF-35は、制空戦闘機であるF-15の完全な代役にはならないと考えられる上に、開発の遅延など様々な問題が噴出しています。
そこで米軍は、F-22やF-35と比べて一世代前の機体であるとは言え、かつて世界最強と言われ大量に保有するF-15を大幅に改修して延命することで、費用対効果を最大限に高める狙いがあるものと思われます。
確かに、最新のウエポンシステムの搭載や、運用方法を見直すことなどで、F-15は他国の新世代機に対抗できるかもしれませんが、次々に新型機を開発する中国などに対し、F-15が圧倒的に有利な状況でなくなることは事実でしょう。
日本でも、8月に日本経済新聞が航空自衛隊のF-15を大幅に改修して運用期間を延ばす計画があることを報じています。
空自のF-15の改修計画も、今回の米軍の改修に準じる内容と思われますが、増強を続ける中国軍に対して心もとない状況に変わりありません。
日米の財政事情を踏まえればこうした改修計画も必要ですが、コストパフォーマンスだけで国防を考えると道を誤る場合があります。
防衛費で必要な経費を賄えないのであれば、国防債を発行するなど、新たな資金調達の方法を検討すべきではないでしょうか。
※:9月16日付CNNニュースhttp://www.cnn.co.jp/usa/35089177.html