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2016/09/12【大規模災害発生時の国防は大丈夫か】

 NHKスペシャルで「地震予測に挑む」という番組が放送されました。
番組では、発生すれば大きな被害が予想される南海トラフ巨大地震の予知などについて、最新の研究成果を交えて紹介していました。

 地震学者の皆様のご努力にはたいへん頭が下がりますが、確実な予知はいまだ実現できていないだけに、私たちも普段から災害に備えておく必要があります。

 想定される南海トラフ巨大地震が発生すれば、西日本や東海地方に大きな被害が生じ、国の想定では最悪の場合、30万人以上の犠牲者が出るとされています。

 その際、救難救助や災害復興に向けて、東日本大震災の時と同様に自衛隊の果たす役割はたいへん大きくなります。
特に被災直後は、如何に迅速に出動して対応できるかが、救助の成否に大きく影響します。
ですから、自衛隊は、持てるリソースを少しでも多く災害対応に投入できるかがカギとなります。

 ただ、もしも南海トラフ巨大地震が発生した場合、東日本大震災が発生した時とは、状況が少し異なるということを認識しておく必要があります。

 それは、尖閣諸島の状況です。
中国は、日本が尖閣諸島を国有化して以降、尖閣諸島周辺で圧力を強めていますが、尖閣諸島の国有化は東日本大震災の一年半後です。

 中国は何とかして尖閣諸島を奪い取りたいと考えていますが、そうした中で、南海トラフ巨大地震が発生して日本国内が混乱し、自衛隊の大部分が災害対応にあたらざるを得ない状況を見て、中国が尖閣諸島で行動を起こす可能性を考慮しておく必要があるのではないでしょうか。

 敵の混乱に乗じて攻め入ることは兵法の常道です。
大規模災害発生時の国防についても、十分に備えておく必要があると考えます。