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2016/06/01【北の弾道弾に対する備えの充実を】

北朝鮮が中距離弾道弾「ムスダン」とみられるミサイル一発を発射しました。
発射は失敗に終わったと見られ、ムスダンの発射は今回を含め4回全て失敗した模様です。

 自衛隊では、今回の発射の兆候を捉え、破壊措置命令のもとでイージス艦とPAC3を展開させていました。

 我が国の弾道ミサイルの迎撃態勢は、ミサイルの発射後の上昇段階や目標に向かって突入する前の段階まではイージス艦のSM3が、目標に向かって突入する最終段階では陸上自衛隊のPAC3が対応することになっています。

 しかし、PAC3は射程距離が数十キロメートルと短く、狭い範囲の防空しか行えないため、どこに向かってくるか分からない弾道ミサイルに対する日本国土全体の備えとしては事実上使えません。

 そこで、イージス艦とPAC3の間を埋める地上配備型の迎撃システムの導入が検討されています。
対象は、「THAAD」と、いわゆる「イージス・アショア」と呼ばれるものなどです。

THAADは韓国が導入を検討し、中国の反発を招いて注目が集まっているシステムです。
イージス・アショアは、イージス艦のSM3を地上配備型に転用したシステムです。

この他に、米国には大陸間弾道弾の迎撃を目的とした長距離・高高度での対応が可能な「GBI」などと呼ばれるシステムがあります。
北朝鮮が弾道ミサイル発射の兆候を見せる度に、PAC3の部隊を防衛省や南西諸島に展開させる様は、パフォーマンスと揶揄されることがあります。
国民の安全のために今ある装備を最大限に活用することは重要ですが、北朝鮮や中国の核ミサイル開発のスピードを考慮すれば、日本も早急に、THAADなどのシステムを導入する必要があると考えます。