沖縄の米海兵隊部隊に新たに着任した軍人などのための研修資料の内容が明らかになりました。
これに対し、地元の主要マスコミの1つは、資料の主な記述として以下の4点を挙げています(※)。
・「地元メディアの恣意的な報道が沖縄の世論にも影響を与えている」
・「日本は合意形成を重んじる国家だが(中略)、沖縄が(その)妨げになっている」
・「多くの県民は、軍用地料が唯一の収入源で、基地の早期撤去を望んでいない」
・「繁華街などにおける米軍人がらみの事件事故の発生要因は、突発的な外人パワー(カリスマ効果)による許与範囲を超えた行動である」
このマスコミによると、3つ目の記述については、「明らかな事実誤認」としています。
確かに、沖縄県民総所得に占める基地関連収入の割合は、近年では1割未満となっているので、「多くの県民」が具体的にどの程度の人数を指すのかは別として、「事実誤認」と言えるかもしれません。
しかし、別の見方をすれば、このマスコミでさえ、他の3点は「明らかな事実誤認」とは言えないと認識していると取れます。
沖縄の苦難の歴史や、沖縄が抱える基地負担が小さくないということは理解できますが、マスコミが恣意的に世論を一つの方向に導こうとすることに危惧を覚えます。
先の大戦でマスコミが煽って世論を誤った方向に導いたと反省するのであれば、中立的に報道する姿勢こそマスコミに求められる本来の姿ではないでしょうか。
※:5月26日付琉球新報http://ryukyushimpo.jp/news/entry-286151.html