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2016/05/24【ベトナムとの協力拡大を】

 ベトナムを訪問しているオバマ大統領は、ベトナムに対する武器輸出を解禁することを発表しました(※)。
 

 米国はベトナム戦争の影響で武器輸出を解禁しており、1995年の米越の国交回復後も禁輸が続いていました。
ベトナム側も、共産党政権誕生後も、旧ソ連製や中国製の武器を中心に運用してきました。

 ここに来て、中国の脅威の高まりと共に、米越の関係改善もあって、ベトナム側の要望で今回の武器輸出を解禁の発表に至りました。
特に、西沙諸島では、中国の海洋進出能力の高まりと共に、ベトナムが支配していた領域のほとんどを中国に武力により奪われており、ベトナムの憂慮は切実です。

 アジアのリーダー国家を目指すべき日本であるならば、こうした米国の役割の一端を、本来、日本が担うべきではないでしょうか。
日本は、既にベトナムに対し、巡視船として使用できる中古船6隻を供与していますが、強圧的な海洋進出を続ける中国から、ベトナムの海洋権益を守るには十分とは言えません。

 ベトナムは、政治体制が民主主義の価値観とは一線を隔すものがありますが、中国包囲網を築く上でもベトナムの存在は重要です。
日本としては、フィリピンなどと共に、「正義」の観点からベトナムに対しても、平和と安定のために武器輸出を検討すべきではないでしょうか。

※:5月23日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/20160523-OYT1T50085.html?from=ytop_ylist