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2016/05/21【台湾の安全保障も在日米軍の存在がカギ】

 台湾の新しい総統に蔡英文氏が就任しました。前任の馬英九氏は中国との関係を重視する国民党であったのに対し、蔡氏は独立志向の強い民進党です。
 

 中国は明らかに国民党政権の存続を望んでいましたが、蔡氏の就任が決まると、「中国と台湾は、共に一つの国に属する」という考えを受け入れるよう様々な形で圧力を強めています。
 

 中国の言う「共に一つの国に属する」とは、要するに「台湾は中国のものだ」という考え方です。
ですから、中国は台湾を勢力下に置きたいと考えているのであり、その目的を達成するためには、武力の使用も排除していないのです。

 その際、中国にとって最も邪魔なのが、沖縄の在日米軍です。
これは、台湾側からしてみれば、最も頼りにしているのが、沖縄の在日米軍ということでもあります。
これは、蔡氏が就任演説で「米日欧の民主国家と全方位で協力する」と述べていることからも分かると思います(※)。

 その在沖の米軍基地の撤去を求める声が一段と強まりそうな気配です。
沖縄の二十歳の女性が殺害された事件で、沖縄の米軍基地内で働く軍属の米国人の男の犯行との見方が強まっているからです。
犠牲になられたかたのご冥福を申し上げると共に、卑劣な犯行を断じて許す訳にはいきません。

 その一方で、今回の事件をもって在沖縄米軍基地の撤去に繋げることは、沖縄を含む日本の安全、そして台湾を含む東アジア全体の安全を踏まえれば、早計ではないでしょうか。

 沖縄の方々の心情にも配慮する必要があると考えます。
その反面、中国の脅威にどう対処するかという観点からも、慎重かつ大局的に判断する必要があると考えます。

※:5月20日付産経新聞http://www.sankei.com/politics/news/160520/plt1605200033-n1.html
【参考】:大川隆法著『プーチン 日本の政治を叱る -緊急守護霊メッセージ-』幸福の科学出版http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1678