広島市でG7外相会議が始まりました。
しかし、ドイツの外相は日本への到着が遅れ、初日の会議を欠席しました。
日本到着に先立って訪問した中国で、ドイツ外相の乗機がトラブルを起こしたため、予定通りに広島入りすることができなかったとのことです。
この一件で、多くの方々が何か政治的な意図を感じたのではないでしょうか。
日独政府は何とか初日の会議に間に合うよう努力したと伝えられており、航空機材のトラブルが原因の単純な遅刻だったのかもしれません。
しかし、独外相の訪日に先立つ経由地が中国であることで、参加各国には疑いをもったれても仕方が無い状況ではあります。
中国は、来月、日本で行われる伊勢志摩サミットの席上、南シナ海問題を議題として取り上げないよう日本側に圧力を掛けていたと報じられていました。
日本側は、中国の要求を突っぱねたとのことですが、それを苦々しく思っていた中国が、今回の外相会議にドイツ外相を欠席させることで、日本側に冷や水を浴びせたかったというシナリオも考えられなくもありません。
ドイツとしても、メルケル首相が首相就任以来、既に7回も訪中するほど中国との関係を重視しており、何らかの取引により日本との関係に実害が出ない範囲で中国の意向に沿ったとも考えられなくもありません。
もともと、地理的に遠いドイツは中国の覇権的な海洋進出に対する危機感が薄い上に、現在もナチスの蛮行を謝罪し続け、その姿勢を中国から賞賛されているドイツは、同じ敗戦国である日本を歴史認識でドイツと同じ立場に引き入れたいという潜在的な思惑が見て取れるからです。
以上は、勘繰りすぎだとは思いますが、それにしても、これまでの経緯や、保守系の識者の方々のご意見にもありますように、「中国の外交戦略や歴史戦はしたたか」です。
日本政府はそうした認識に立って、中国の悪行に対しては、正義の観点から阿ることなく決然と言うべきことは言って頂きたいと願ってやみません。