米国の捜査当局は、アップル社に対し、テロ事件の容疑者が所持していたスマートホンのロックを解除するように要請したものの、アップル側は拒否しました。
アップルは、ロックを解除するためには新たなソフトウエアを作成する必要があり、そのソフトウエアは利用者の情報漏えいに繋がる恐れがあるとしており、今後、捜査当局との間で法廷闘争に発展しそうです。
テロ事件の捜査は人命に関わるため当局の対応は理解できますが、一方で、ロック解除に応じ、そのソフトウエアが悪用された場合、利用者が意図しない情報の流出や、個人の監視に繋がるため、アップル側の言い分も理解できます。
この問題は、やはりソフトウエアを取り扱うものの見識が問われているのではないでしょうか。
中国は、インターネットなどのサイバー空間においても、統制・監視大国です。
例えば、検索エンジンは国営とも言える特定のサイトしか事実上使えませんし、ブログも事実上、匿名で開設することはできません。
更に、カード決済も国営とも言える特定のカードしか使えません。
これらは、国民がどのような情報のやり取りをして、何にお金を使っているのか当局が把握できるようにするためです。
もしも、今回、ロック解除のソフトウエアが開発されれば、中国はのどから手が出るほどそのソフトウエアを手に入れたいことでしょう。
今回の問題は、こうしたことも考慮しながら、米国当局やアップルなどIT企業側の対応を注視したいと思います。