航空自衛隊那覇基地に所属する戦闘機部隊が、今月31日から1つ増えて正式に二個飛行隊となります(※)。
那覇基地の戦闘機部隊は、尖閣諸島を含む日本の最南端の防空にあたる部隊で、近年、中国軍機に対するスクランブル回数が大きく増加し、過酷な運用状態が続いていました。
今回、飛行隊の増加に伴い所属する戦闘機やパイロットの数が増えることになり、運用の過密度合いは緩和されると見られますが、那覇基地の最寄りの戦闘機部隊は700km以上離れた九州の新田原基地であり、対領空侵犯措置などで他の基地からの応援を仰ぎにくい状況に変わりはありません。
一方で、近年、東シナ海周辺での中国軍機の活動は増加傾向にあります。
特に、中国は、尖閣諸島上空を含む東シナ海に一方的に防空識別圏を設定したり、尖閣諸島最寄りの中国大陸に新たな航空基地を建設したり、更には早期警戒機を運用したりと、ますます活動が活発化することが予想されます。
尖閣諸島は、那覇基地から400km以上も離れており、部隊運用の効率を高めるためには、那覇基地よりも更に近い位置に新たな戦闘機部隊を運用する拠点を構築することも検討すべきかもしれません。
中国は、南シナ海で確保した環礁を埋め立てて滑走路を建設するなどして、軍事拠点化を既成事実化してしまうような国です。
東シナ海でそうした行為に及ばぬよう、日本も南西諸島周辺の防衛力を着実に高める必要があります。
※:1月26日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20160126/k10010386021000.html