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2016/01/14【オバマ大統領、任期最後の一年に中国政府はどう出てくるのか】

 オバマ大統領は、任期中最後となる一般教書演説を行いました(※)。
一般教書演説とは、今年一年の施政方針を述べるものです。

 演説の中でオバマ大統領は、改めて「米国は世界の警察官をやめる」と述べ、友好国や同盟国とで分担して問題解決にあたる姿勢を明確にしました。

 こうしたオバマ大統領の姿勢に、中国やロシアの軍事的な台頭だけでなくイスラム過激派の拡大を招いたとの批判がありますが、オバマ大統領は、米軍は依然として世界最強であり強い指導力を発揮できるとしています。

 しかし、現実の世界情勢を見る限り、相対的に米軍の力は落ち、それに伴い米国の指導力も低下していることは事実であり、オバマ大統領への批判はあたっているように思われます。

 アフガニスタンの内戦は未だに収拾できていませんし、シリアの内戦では対応が後手に回った感は否めません。
また、中国の南シナ海での急速な人工島造成にも有効な対策を打てておらず、人工島の12海里内に海軍艦艇を派遣した「航行の自由作戦」も、中国に配慮してわざわざベトナムなど中国以外の国が領有している環礁の12海里内も航行し、中国だけを対象としている訳ではないということをみせたりしています。

 更に、米国の大統領に三選は無いため、オバマ氏の任期は残り一年ですが、一般に残りの任期が一年では、思い切った政策は実行できないとされます。
中国は、こうしたオバマ大統領の弱腰とも取れる姿勢を見透かすかして行動することは間違いないのではないでしょうか。

※:1月13日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20160113/k10010369921000.html