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2016/01/06【『正義の法』で日本が仲裁役に】

 共に中東の大国であるサウジアラビアとイランが、外交関係を断絶し緊張が高まっています。
 

 両国はいずれもイスラム教の国ですが、サウジアラビアはイスラム教スンニ派が主体で、イランはイスラム教シーア派が主体の国です。もともと両国は事ある毎に対立してきましたが、年末にサウジアラビアがシーア派の宗教指導者をテロ容疑で処刑したことをきっかけに、大使館の閉鎖、貿易の禁止など両国の関係が悪化しています。

 ただでさえシリア情勢などで苦慮している中東地域が、両国の対立で一層不安定化すれば、経済など世界に与える影響が大きくなるだけに、米国やロシアは自制を呼びかけています。

 日本政府も両国に対話を呼びかけていますが、両国政府と比較的良好な関係にある日本だけに、仲裁役を買って出ることを真剣に考えるべきではないでしょうか。

 特に、近年、サウジアラビアの人気番組『ハワーテル』が、複数回にわたって日本の良さを取り上げて紹介する特集を組んで放送したところ、大きな反響があったそうです。
番組は、イスラム圏を中心とした他の中東やアフリカ諸国でも放送され、日本をお手本として、あこがれる人が増えて、この番組をきっかけに日本に留学する人も増えたそうです。

 ですから、日本は、米露以上に両国と信頼関係を築くことができる状況にあるのではないでしょうか。

 両国を仲裁するポイントは、日本の「和」の精神だと思いますが、そのために必要なのは、宗教への理解です。
宗教への理解が無いまま、唯物的な価値観だけでは、両国を仲裁に導くことは不可能ではないでしょうか。
「憎しみを超えて、愛を取れ」というサブタイトルを冠した『正義の法』、多くの方に読んで頂きたい一書です。