1965年の日韓請求権協定で、韓国人の個人請求権までもが「完全かつ最終的に解決された」ことが、違憲かどうか争われていた裁判で、韓国の裁判所は判断を下さずに訴えを却下しました(※)。
韓国国内では戦時徴用工の問題で個人請求権は消滅していないとの判例もあり、今回、裁判所が違憲かどうかの判断を下さなかったことで、今後も個人請求権の問題は続きそうです。
しかし、日韓請求権協定では、個人請求権も含めて「完全かつ最終的に解決された」ことは明らかです。
日本政府は、日韓基本条約により韓国に対して多額の賠償を行っていますし、韓国政府は既に補償金を受け取っています。
よって、個人への補償が十分でないのであるならば、その請求は日本政府ではなく、韓国政府に行うのが筋です。
つまり、韓国政府は日本政府から受け取った補償金で、個人への補償を十分に行わずにいたということになります。
このように、外交的に解決している問題を蒸し返すということが度重なれば、韓国が国家として、今後、日本だけでなく他の国々からも不安視されかねない懸念を感じる出来事です。
※:12月23日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/20151223-OYT1T50060.html?from=ytop_ylist