日本の法人税は諸外国に比べて高い水準にあり、日本企業の国際競争力を奪う一因となっていると見ることができます。
このほど政府は、来年度の税制改正で法人税の実効税率を、現在の32.11%から、29.97%に引き下げる方向で調整に入りました(※)。
幸福実現党は予てより法人税の減税の必要性を訴えてきましたが、とりあえず20%台に下げたという象徴的な意味合いが強く下げ幅としては十分とは言えませんが、法人税の減税は正しい方向と考えます。
今回、政府が法人税の減税に踏み切ろうとしている背景には、減税分を穴埋めするための新たな財源の見通しが立ったためという側面があります。
新たな財源とは、赤字企業にも事業規模に応じて課税する「外形標準課税」の導入など、新たな税の導入と優遇税制の見直しに伴うものです。
つまり、政府の言う法人税の減税は、税の名目が変わっただけで、しっかりと徴税するということです。
確かに、税制の改正で減税分が増税分を上回った企業にはメリットがあるでしょが、日本企業全体で見れば、結局はほぼ変わらない額を納税することになるのではないでしょうか。
それよりも会計上赤字にすることで、法人税の納税を免れてきた企業から確実に徴税したいという思惑を感じます。
しかし、減税の主旨は、税負担を減らすことで、企業の経営の自由度を上げて業績向上を図ることです。
企業が元気になれば日本経済が上向くのです。政府には、税の名目を変えるのではなく、真意味で「減税からの経済成長」を具現化してほしいと思います。
※:12月3日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20151203/k10010327591000.html