来年1月1日からのマイナンバー制度の運用開始を前に、番号通知カードの遅配や、不審電話や詐欺など、早くもトラブルが続出しています。
運用開始以降も、大規模な除法漏えいの可能性を多くの専門家が指摘していますし、マイナンバー制度は憲法違反とする訴訟まで起きています。
このように様々な問題を抱えるマイナンバー制度ですが、このほど東大生産技術研究所が、マイナンバーを使って災害時に安否確認を行うシステムを開発したとのことです(※)。
国民一人ひとりに割り当てられた固有番号であるマイナンバーを使うことで、避難した住民の情報を一元的に管理できるメリットがあります。
しかし、そもそも12ケタのマイナンバーを、被災時に個人が把握していられるのかという疑問が残ります。
氏名と生年月日などの既存の情報のほうがよほど有益ではないでしょうか。
やはり、何かとマイナンバーと結びつけることにより、マイナンバーの有益性を喧伝し、普及に繋げたい思惑を感じずにはいられません。
今、問題となっている消費増税時の軽減税率ですが、当初、財務省はマイナンバーと結び付けて現金を還付する案を示していましたが、多くの批判を受けて雲散した経緯があります。
これなども、マイナンバー普及に繋げたい財務省の思惑を感じました。
マイナンバー制度の導入で、年金や雇用保険の事務作業の効率化や、税金を確実に徴収できるメリットがありますが、一方で、国民の一挙手一投足を国が監視できるようになる危険性があります。
国家による管理の拡大は、国民の自由を縛り、自由な発展の芽を摘むものです。
マイナンバー制度は、世界の潮流にならって、廃止することが正しい道ではないでしょうか。
※:12月2日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/national/20151202-OYT1T50097.html?from=ytop_top