先般、自衛隊で活躍する「歌姫」について言及しました。
この度、防衛省は、女性自衛官を戦闘機のパイロットとしても起用する方針を固めたとのことです(※1)。
自衛隊では、既に輸送機や哨戒機のパイロットとして女性を起用してきましたが、戦闘機に関してはいわゆるドックファイトと言った戦闘機同士の格闘戦などパイロットに高い重力がかかる場合に、身体的な耐力が男性より劣るなどとして起用してきませんでした。
今回、政府は、男女共同参画を推進する一環として、3年後を目途に女性パイロットを戦闘機での任務に就かせる予定です。
確かに、戦闘機そのものの進歩や戦術の変化により、女性パイロットが男性パイロットよりも劣る局面は少なくなっており、欧米など世界各国では女性の戦闘機パイロットは少なくありません。
遡れば、第二次世界大戦中、旧ソビエトでは女性だけの戦闘機部隊が存在し、ドイツ機を多数撃墜しエースの称号を得た女性も存在しています(※2)。
また、高い重力下で男女が同じ土俵で戦うという意味では、カーレースの世界でも活躍している女性は多数存在します。
例えば、激しいバトルで知られるドイツツーリングカー選手権で活躍したエレン・ロール氏はもっとも有名な女性レーサーの一人として知られています。
このように女性の中にも、厳しい戦いの矢面に立って活躍する人物がいることも事実であり、本人が努力を実らせたいと願うならば、可能性として、そうした人物にふさわしい道を開くという姿勢も大切ではないでしょうか。
しかし、一般論としては、女性には女性の、男性には男性の強みや弱みがあることも厳然たる事実です。
よって、仏教思想の転生輪廻の立場に立てば、やはり神から与えられた性差を認めつつ、女性にとっての幸福とは何かという観点も忘れてはならない考え方です。
その上で、性差によらず個性や能力に応じて活躍できる社会を目指すべきではないでしょうか。
※1:11月11日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20151111/k10010301371000.html
※2:ブルース・マイルズ著、手島尚訳『出撃!魔女飛行隊』朝日ソノラマ