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2015/11/12【祝!MRJ初飛行】

 MRJとは、三菱重工の子会社・三菱航空機が開発を行っている中短距離路線向けの比較的小型のジェット旅客機です。
戦後、日本で開発された旅客機が初飛行するのは、プロペラ旅客機のYS-11以来、約50年ぶりです。
今回の初飛行は、日本の航空産業の悲願達成に向けての第一歩と言えますし、航空ファンにとっても記念すべき日となりました。

 昨今の航空業界は、運航コストの削減に直結する機材の燃費性能が重視されていますが、MRJの特徴の一つが、他社の同クラスのライバル機に比べて2割ほど優れる燃費性能です。
過去、YS-11は商業的に成功したとは言えませんでしたが、三菱では、燃費性能の高さなどを武器に、今後、2千機以上の受注を目指しています。
MRJが商業的に成功することで、日本の航空産業は大きく発展することになるでしょう。

 ただし、MRJの構成部品の国内企業からの調達率は、実は5割に達していません。
国産旅客機の開発と聞くとほとんどが国産の部品で構成されているのかとイメージしてしまいますが、例えば、燃費性能のカギを握るエンジンは米国のプラットアンドホイットニー社製です。

 日本では、既に純国産機と言える海上自衛隊向けのP-1哨戒機の導入が進められていますが、このP-1に搭載されているエンジンは純国産と言えるものなので、将来、こうした技術をもとにMRJのエンジンも国内開発化したものを選択できるようにするなどして、国内の航空産業の裾野を拡大する努力も必要と考えられます。

 いずれにせよ、今後、MRJの試験が順調に進んで、2年後に予定されている全日空への最初の機体の引き渡しが計画通りに行われ、私たちが乗客として搭乗できる日が1日でも早く来ることを心待ちにしたいと思います。