人工衛星攻撃用の新型ミサイルの発射実験を、とうとう中国が行ったとのことです(※)。
「(今回の実験は)米国が過去に開発を試みたものよりも、さらに高い軌道にある衛星攻撃を目標にしている」と専門家が指摘しています。
米国の軍事力を支えている要素の一つが人工衛星の存在です。
米軍は、偵察・観測衛星やGPS衛星、それに通信衛星などを活用して世界中に展開している米軍部隊を統合的に運用しています。
もしも、衛星が使用できなくなれば、米軍の活動は大きく制限されることになります。
人工衛星を物理的に破壊する手段を持っている国はほぼ米露だけでしたが、近年、中国が急速に宇宙空間における攻撃能力を高めています。
米国は、中国の衛星攻撃能力への対応を急がれていますが、全ての人口衛星に回避能力や防御機能を持たせるにはまだまだ時間がかかると見られています。
今回の中国の実験の成否は明らかになっていませんし、実用段階にあるのかも不明ですが、こうした実験を行うだけでも米国に対する大きな牽制になります。
一方、日本はこうした分野では大きく後れを取っています。
日本も人工衛星への攻撃から防御する技術を開発するなど、宇宙での防衛力の整備にも力を入れる必要があります。
※:11月10日付産経新聞http://www.sankei.com/world/news/151110/wor1511100027-n1.html