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2015/11/10【日本は中国の脅威からアジアの国々を守れ】

 11月下旬にマレーシアで開かれるASEAN首脳会議の議長声明の草案に、南シナ海での中国の振る舞いを非難する文言は盛り込まれていないことが明らかになりました。
ASEAN内部にある中国との対立は避けたいという思惑と共に、中国による外交攻勢が功を奏した形です。
 

 一方、ASEAN首脳会議に先立ってフィリピンで開催されるAPECにも注目が集まっています。
その理由は、APECにはASEAN諸国と共に、日米中など環太平洋諸国の首脳が集まりますし、何よりも南シナ海の問題で中国と鋭く対立するフィリピンがホスト国であるからです。

 フィリピンでは、1990年代に在比米軍が撤退しましたが、その直後に中国軍がフィリピン近海の南沙諸島の環礁を占拠して軍事拠点を構築し、周辺からフィリピン漁民を追い出すなどして実効支配するに至りました。
 

 今回、中国は、APECを前に外相がフィリピンを訪問すると発表しましたが、APECでの中国非難を和らげたい思惑があるようです(※)。
中国の発表では「対話を基礎としてフィリピン側と適切に問題を解決したい」としていますが、占拠している環礁から撤退する意思は毛頭ないでしょうから、例によって大規模な経済援助をチラつかせて懐柔しようとするのかもしれません。

 中国の南シナ海や東シナ海での振る舞いは、明らかに「正義」に反しています。
フィリピン政府の対応にも注目が集まっていますが、フィリピンが中国に絡め取られないように、日本としてもフィリピンを強力に支援する必要があります。

※:11月9日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20151109/k10010299831000.html