中国の習近平主席と台湾の馬英九総統の会談が、1949年の中台分断後、初めて行われる見通しとなり世界から注目されています。
台湾では、来年早々に総統選挙が行われますが、馬総統が率いる親中派の与党国民党の候補は苦戦しており、独立志向の強い野党民進党の候補の優勢が伝えられています。
そこで馬総統は、中台首脳会談を開催することで実績をアピールし支持回復を図ろうとしていると見られています。
中国側も、親中の国民党を支援したい思惑がありますし、民進党が政権を取った場合の布石と見ることができます。
こうした馬総統と中国の思惑通りにことが進むとは限りませんが、仮にこの会談が契機となって国民党が総統選に勝利するようなことになれば、国民党は中国に頭が上がらなくなり、台湾はますます中国に飲み込まれていくことになります。
返還された香港だけでなく、侵略されたチベットやウイグルなどを見れば明らかですが、中国に飲み込まれた地域は自由が制限されていきます。
そうなれば、中国共産党への批判は許されず、民主主義は名ばかりのものとなります。
日本は、台湾が中国に依存せざるを得なくなる状況を阻止するために、経済面だけでなく防衛面でも支援を強化する方策を考えるべきではないでしょうか。