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2015/11/05【中国国防相が南シナ海の問題を核心的利益と言及】

 中国の国防相が、「南シナ海の問題は中国の核心的利益と関係している」と発言しました(※)。
この発言は、マレーシアで開かれている拡大ASEAN防衛相会議に合わせて行われた米中防衛相会談で中国側が述べたものです。

 中国が言う「核心的利益」とは、自身の領土領海として分離独立が許されない領域のことであり、その確保のために軍事力の行使も辞さないというものです。
中国は長い間、この「核心的利益」という言葉を、台湾問題や、チベット・ウイグルの問題に対して使用してきましたが、最近では日本の尖閣諸島に対しても使用するようになり、今回、南シナ海の問題に対しても中国の政権中枢が言及したことになります。

 中国は、海軍力の増強と比例するかのように海洋進出を加速させ覇権拡大を図っており、軍事力の行使も辞さないということをチラつかせて、言葉によっても領土領海を獲りに来ています。
 

 こうした中国による恫喝まがいの行為に怖気づいて、融和策を取ったり、見て見ぬふりをしたりすることは、中国の思う壺です。
 

 その意味で、南シナ海での米艦による中国の人工島への接近は遅きに失した感がありますし、今回、拡大ASEAN防衛相会議で中国の反発に配慮して共同宣言を採択しなかったことは、ますます中国の増長を許すことに繋がりかねません。
 

 日本はリーダシップを発揮して、中国の覇権拡大に対し、国際社会と協調して毅然とした態度で臨む必要があると考えます。

※:11月4日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20151104/k10010294121000.html