昨夜24日の池上彰氏のTV番組のオープニングを観ました。
シリア難民の問題をはじめ、混迷する中東情勢は、米露中の代理戦争の様相を呈しているようにも感じられます。
「現実に核戦争の危険性があるのはどこか」という問い掛けに、「中東地域」と答える専門家は多いのではないでしょうか。
イスラエルとイランをはじめとした中東諸国の対立の中で、イスラエルは既に核保有国であることが公然の秘密であり、それに対抗する形でイランが核兵器開発を急いでいました。
特にイスラエルとイランの対立は先鋭化しており、イランが核兵器開発に成功すれば、両国は一線を越えるのではないかと危惧されていました。
それが今年に入って欧米6カ国とイランの間で核合意がなされ、イランが国際原子力機関による監視を受け入れる代わりに、欧米などによるイランへの経済制裁を解除することになりました。
米国などは、イランによる核兵器開発を阻止するための歴史的な合意であるとしています。
しかし、当のイスラエルは、イランが核兵器開発を断念することに懐疑的です。
確かに、イランは核合意の一方で核兵器の運搬手段として使える弾道ミサイルの開発を続行していますし、過去には、国際原子力機関の査察を受け入れながら裏では核開発を続けていた北朝鮮の例もあります。
イランの核開発は北朝鮮との繋がりが深いとも言われています。
しかも、イランが核開発を断念したからと言ってイスラエルが核を手放す可能性は低いですし、イランにとっては経済的な観点は別として軍事的にはあわよくば核兵器を保有したいという思いは残るはずです。
従って、中東での核戦争のリスクは引き続き残ると言わざるを得ません。
核戦争は、局地的なものであっても、地球人類全体へ影響は計り知れず、破滅的なものです。
ですから、こうした局面こそ、日本が両者の間に立って問題を解決する役割を果たすべきだと考えます。
万一、地球の人々が核戦争を抑止できなかった時、もしも宇宙に存在する知的生命体がその様子を見たらどのように思うのでしょうか。