中国の習近平主席が英国を訪問し、英国に建設する原発に中国の技術を導入するなど、総額7兆円以上の契約を交わしました。
米国などの懸念をよそに、西側諸国の中では突出して英国が中国に接近しているように見えます。
英国のキャメロン政権が中国に接近する背景には、中国経済を取り込みたい思惑があります。
しかし、キャメロン首相は、経済的な関係を強化するために、習主席との首脳会談でも中国の人権問題やサイバースパイ疑惑に目を瞑るような態度を取っています。
キャメロン首相は、経済的な関係を強化すればそれだけ中国に対して様々な問題に対して意見する場が増えるとしていますが、「中国からの経済支援を増やした国の中で、中国の人権問題などへの批判を強めた国は無い」のではないでしょうか。
経済関係ばかりでなく、原発という国家の安全保障に関わる重要な要素で中国依存を深めるということは、今後、英国は中国の意向を汲まざるを得なくなり「隷属」に一歩近づくことになってしまいます。
中国から遠く離れた英国は中国に対する危機意識が決定的に不足しているのかもしれませんが、英国には民主主義を標榜するリーダー国家として中国の危険性を正しく理解すべきであると思います。
かつての大英帝国を築いた英国を率いるキャメロン首相の対中国外交には「世界正義」の観点が欠けているように思えてなりません。