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2015/10/22【安全保障上、米国を日本に繋ぎ止めておくために】

 国連総会で中国は、使用済み核燃料を大量に保有しており核兵器開発に乗り出す可能性があるとして日本を批判しました(※1)。
 

 しかし、日本の使用済み核燃料は全て国際原子力機関の査察を受け入れて監視下においていますし、政府に核兵器開発の意思が無く、世論も多くが反対でしょうから、日本の核兵器保有は難しいのが現状ですから、中国の批判は言い掛かりに過ぎません。
 

 一方で中国は、核兵器保有国であり、常任理事国5ヶ国の中で唯一核戦力の増強を続けています。
 

 そうした中で、中国国内では政治家や軍人から、日本の尖閣諸島を武力行使してでも取るとの声が聞こえてきます。
専門家などの分析では、通常戦力での戦闘であれば自衛隊が中国軍に負けることはないとの大方の見方ですが、中国側が核兵器の使用も辞さないとなれば話が変わってきます。

 核兵器を持たない日本は、日米同盟による米国の核の傘に依存する必要が出てくるのです。

 しかし、先に行われた国際的な世論調査によれば、尖閣諸島を巡って日中両国が軍事衝突した場合に米軍を派遣することへの賛否を尋ねた結果は、日本では、賛成56%、反対16%であったのに対し、米国では、賛成33%、反対64%でした(※2)。
この世論調査の結果から判断すると、本当に米国が日本のために動いてくれるのか多少なりとも心配になります。

 実際、米大統領選で何かと注目を集める共和党のトランプ候補は、選挙のキャンペーンの際に、日米同盟の片務性について言及して批判していました。

 やはり、日本の抑止力を高めるためにも集団的自衛権の行使を認め、米国を繋ぎ止めておく必要があります。
その意味で、先に成立した安保法制は、日本にとって日米同盟を強固にするために最低限必要な法律であることが分かります。

※1:10月21日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20151021/k10010277181000.html
※2:10月20日付同http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151020/k10010276511000.html