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2015/10/20【中国経済の減速が鮮明に】

 中国の7~9月期のGDPの伸び率が6.9%と発表されました(※)。
7%を下回るのは6年ぶりで、中国経済の減速が鮮明になっています。

 もともと、中国政府が発表する経済指標の信憑性は疑われており、外国の研究機関などが比較的信頼のおける指標から算出したGDPの推定値は、中国政府の発表よりも大きく下回っていることが度々です。
 

 今回の「6.9%」という数字は、中国政府が目標としている7%を0.1%だけ下回る値であり、見方によっては「目標をほぼ達成している」と言えますし、今後、中国経済の減速が隠せないほど顕著になった場合に備えての下振れに対する予防線と見ることができるもので、極めて人為的な数値とも思えます。

 いずれにせよ中国経済が減速し、その影響が中国国民の生活に波及すれば、国民の不満は中国政府に向けられ、中国共産党一党支配の正当性が揺らぐことに繋がります。
そうした国内が不安定になった際に、中国政府は近隣諸国に対し融和策を取るのか、それとも危機を醸成する強面外交を強めるのか、注意深く見ていく必要があります。

 恐らく、国民の目を逸らすために後者を選択する可能性が高いのではないでしょうか。
中国経済の減速は、世界経済にも無視できない影響を与える可能性がありますが、世界の安全保障にも影響を与えるということを認識しておく必要があります。

※:10月19日付日本経済新聞http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM18H14_Z11C15A0MM0000/