大きなニュースが2つ飛び込んできました。
一つ目は、ノーベル医学・生理学賞に北里大学の大村智名誉教授が決まったことです。
大村氏は感染症の研究などで知られ、発展途上国を中心に数億人の命を救ったとされています。ノーベル賞の受賞は大村氏で23人目となり、同じ日本人として誇らしく思います。
さて、二つ目は、難航していたTPP交渉が、大筋合意に至ったということです。
この合意で、世界最大の自由貿易圏が誕生することになり、日本経済の活性化に繋がると同時に、中国に対する包囲網を形成できる点で大いに評価できるものです。
今回のTPP交渉の詳細な内容は現時点で明らかになっていませんが、日本政府が重要5品目としていた米や牛肉などの農業分野の関税は例外的に維持できた模様です。
しかし、こうした品目の高い関税を維持したままでは、自由な貿易ルールのもとでの経済の活性化という点で効果が不十分ではないかと思います。
確かに、主食などを保護することは食糧安全保障上、必要な場合もありますが、保護政策を行っている外国の場合、耕作地を大規模に集約して効率化を図った上で保護を実施しており、日本のように小規模な農家をそのままに保護を実施することは国家財政を一層圧迫することになります。
日本の将来を考えると、やはり、日本の農業は世界と競争できるよう脱皮する必要があると考えます。
日本の農業が目指すべきは、規模の拡大や収量の増加で価格競争力を培うということだけでなく、美味しく安全といった高付加価値の作物を提供していくことにもあると思います。
日本の農業は世界的に見ても高い技術力がありますから、世界と戦える十分な潜在能力があるはずです。