中国当局は日本の民間人2名をスパイ容疑で拘束しました。
日本政府も拘束の事実を認めましたが、菅官房長官は、日本政府が民間人をスパイに仕立てて外国に送り込むことなど絶対に無いとしています。
種々の報道によれば、拘束された邦人は日本政府から依頼があったことを示唆している模様ですが、産経新聞の報道では、拘束された邦人は中国の国家機密にアクセスできるような立場にないとしており(※)、一般的に考えられているようなスパイでないことは間違いなさそうです。
外国では、観光の際に思わず軍事関連施設にカメラを向けただけで拘束されることはよくあることですが、今回の拘束期間は数カ月に及んでいることなどから中国政府に何らかの政治的な意図があることは明らかです。
今回の事件を受けて、訪中する邦人に対してむやみに軍事施設に近づかないように言われていますが、法律よりも上位に共産党が存在し、法律を恣意的に運用できる中国では、外国人であっても如何様にでも拘束できることを心得ておくべきではないでしょうか。
一方で、既に日本国内には多くの中国のスパイが活動しているということを忘れてはなりません。
訪日ビザの緩和や中国人観光客の激増などで、ますますスパイが活動しやすくなっている日本は、いつまでも「スパイ天国」などと言われないようにスパイ対策を強化すべきではないでしょうか。
※:10月3日付産経新聞http://www.sankei.com/world/news/151003/wor1510030022-n1.html