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2015/09/24【中国に信教の自由を】

 ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王と中国の習近平主席が、現地時間の22日に時をほぼ同じくして米国を訪問しています。
 

 米国政府は習主席を国賓として迎えていますが、米国メディアの関心は明らかにフランシスコ法王のほうに集まっています。米国では、国民の間の教会離れが叫ばれて久しいのですが、宗教としては依然としてキリスト教が主流であり、政治的にも教会が一定の力を持っています。
 

 中国は、ローマ法王と同時期に訪問すれば、習主席への関心が薄くなることを懸念して米国にローマ法王の日程をずらすように再三要望したにもかかわらず突っぱねられた模様です(※)。
 

 これは、宗教の自由に関する米国から中国へのメッセージと受け止められています。
中国政府は、国内で信教の自由は認められているとしていますが、実際は、中国共産党が認める宗教以外は活動を禁じており、信教の自由はありません。中国では、共産党が宗教の上に位置しているのです。

 この背景には、中国共産党は、宗教が共産党の一党独裁による支配を覆すことを警戒しているということがあります。
実際、共産党指導部は、キリスト教やイスラム教などの広がりを警戒し、共産党員の宗教禁止を徹底する方針を固めたと報じられています。

 しかし、唯物論国家やその指導者が本当の意味で人間の尊さを理解することはありません。

 中国の人権状況の改善さえ強く迫れない今の日本政府ですから、信教の自由を中国に求めることなど期待できませんが、中国の民主化を促すためにも、日本も信教の自由を強く迫るべきではないでしょうか。

※:9月21日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/20150921-OYT1T50044.html