英国の最大野党である労働党の党首に、左派のコービン氏が就任しました(※)。
労働党はもともと社会主義的な政党ですが、近年は現実路線とされる中道的な政策を掲げていました。
しかし、最近の選挙では保守党に連敗しており、党勢の回復には至っていません。
今回、格差解消や緊縮策への反対、更には鉄道の再国有化などを主張し、筋金入りの社会主義者とされるコービン氏が党首に就任したことで、今後の英国の政局に注目が集まっています。
しかし、過去、英国は、行きすぎた社会保障制度や基幹産業の国有化などにより、国民の勤労意欲が低下し、経済と社会の停滞を招いたいわゆる「英国病」を患っていたことを忘れてはなりません。
その英国病を、鉄の女と呼ばれたサッチャーが、規制緩和や大幅な減税、国有企業の民営化などを行って、英国経済を立て直したのです。
格差が固定することを防止したり、将来に価値を生むものに財政を注ぎ込んだりすることは必要なことですが、自由な経済活動による富の創出を蔑ろにする社会主義的な政策は、結局は貧しさの平等をもたらします。
英国は、EUからの離脱論が取り沙汰されたり、スコットランドの独立論がくすぶったりしている状態です。
今後、英国民の選択如何では、英国が先進主要国でいられるかがかかってきます。
こうした英国の状況は、日本としても参考になることが多々あるのではないでしょうか。
※:9月13日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20150913/k10010232021000.html