9月
13

2015/09/14【国防の任にあたっているからこそ】

 先の茨城県や宮城県などでの洪水被害では、たくさんのヘリコプターが被災者の救助や捜索にあたりました。
ヘリコプターを派遣した組織は、自衛隊、警察、消防、海上保安庁などまでにも及びました。

 その中でも特に活躍が目立ったのは、やはり自衛隊でした。
茨城県常総市の鬼怒川堤防決壊現場付近では、押し寄せる濁流に今にも流されそうな家屋に取り残された住民を、自衛隊のUH-60型機が迅速に救出し、その様子の一部始終がNHKなどにより中継されました。
その家屋は、住民が救出された約10分後には流されてしまい、まさに間一髪の救出劇でした。

 自衛隊に限らず、今回、出動した警察、消防、海上保安庁などヘリコプター部隊は、世界的に見ても能力に優れており、私たち国民にとってはたいへん心強い存在です。
どの部隊も、墜落などの事故には万全の注意を払って任務にあたっていると思いますが、自衛隊が他の部隊と決定的に違うのは、「墜落」の危険だけでなく、「撃墜」される危険を考慮して訓練や任務にあたっているということです。

 もちろん、機体の出力の高さや在空時間の長さ、暗視装置など、使用する機材の能力が優れているということもありますが、命を懸けて国や国民を守るという国防の任に当たっているからこそ自衛隊は高い能力を維持していると言えます。
 

 自衛隊の存在に否定的な人からは、今回のように災害現場で活躍する自衛隊を見て、自衛隊を縮小して災害派遣専門の部隊を創ればいいという声もありますが、そうした部隊を創設したとしても、現在の自衛隊のようなレベルには届かないであろうことは想像に難くありません。