普天間基地の辺野古地区への移設作業が、一ヶ月間の中断期間を終えて再開されました。
政府と沖縄県は、中断期間中に集中的に話し合いの場を設けましたが、お互いの主張は平行線のままでした。
これを受けて、沖縄県の翁長知事は、前知事が出した辺野古地区の埋め立て作業の承認を、予告通り取り消す模様です。
しかし、政府は、埋め立て承認の手続きに瑕疵はないとの立場であり、事態は法廷闘争に持ち込まれる可能性もあります。
中国が軍事力を背景に海洋進出を強化する姿勢を崩さない現状では、安全保障の観点から辺野古移設は急務ですが、市街地に隣接する普天間基地の危険性除去という観点からも、一刻も早く移転を完了させなければならないはずです。
万一、法廷闘争に持ち込まれれば、移設作業が長期化することは必至です。
しかも、先の厚木基地などでの騒音問題に関する裁判では、夜間の飛行差し止めの判決は自衛隊機にのみ適用され米軍機に対しては効力が及ばなかったことからもわかる通り、辺野古移設が進まなければ、普天間基地は使用され続けることになります。
普天間基地の米軍は、日本のみならず東アジア全体の安全保障をも担っており、代替え基地が無い限り閉鎖することは現実的に不可能です。
もともと、辺野古移設で沖縄の世論も容認していた問題を、誤った政策でここまでこじれさせ、安全保障の危機を招いたのは民主党です。
現在では民主党は、この問題を政府と沖縄県の問題としてほぼ黙りを決め込んでいますが、本当に責任ある政党として国民の支持を得たいのであれば、民主党も辺野古地区移設を後押しすべきと考えます。
そうした責任が感じられないところが、民主党に対する不信感が積もる理由の一つとなっているのではないでしょうか。