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2015/09/06【マイナンバー制度で国家による国民の管理が強まる】

 来年4月に予定されている消費税率10%への引き上げに関して、低減税率導入の是非が議論となっています。
各種報道によると、財務省や与党は、酒類を除く全ての飲料と食料品を低減税率の対象とする案や、低所得者層に低減税率に相当する措置として増税分を後に還付する案などを検討しているとのことです。

 いずれにせよこうした制度が導入された場合、納税者にとっては煩わしいものとなります。
ただでさえ複雑な日本の税制ですが、もしかすると財務省はマイナンバー制度を活用して国民の資産管理を強めよとしているのかもしれません。

 3日には、改正マイナンバー法が成立し、今のところ任意ではあるもののマイナンバーを預金口座にも適用できるようになりました。
 

 安保法案の審議では、野党は法案の成立に反対する理由として国民の理解が進んでいないこともあげていますが、内閣府の世論調査ではマイナンバー制度についても国民の過半数が内容を十分に理解していないという結果が出ているにもかかわらず、民主党や維新の党などは賛成に回っています(※)。
こうした野党の姿勢は、ダブルスタンダードと言わざるを得ません。

 マイナンバー制度は、大規模な情報漏えいへの懸念を払しょくできていないばかりか、将来の重税社会や国家による管理社会への足掛かりとなる可能性を秘めています。行政手続きの簡素化の代償は大きいかもしれません。

 そして、何より、低減税率を導入してまで増税するのであれば、そもそも消費増税を撤回すべきではないでしょうか。

※:9月3日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20150903/k10010214771000.html