北京で抗日戦争勝利70年を記念する大規模な軍事パレードが行われました。
パレードに先立ち習近平主席が演説し、中国は「一貫して平和的な発展の道を歩み続ける」、「永遠に覇権を唱えず、永遠に拡張路線を取らず」などとした上で、兵力を30万人削減することに言及しました(※1)。
最新兵器を次々に登場させ、1万2千人もの兵士を動員した軍事パレードで、いくら平和路線をアピールしたところで、全く説得力に欠けると言わざるを得ません。
しかも、パレードの前日には、アラスカ沖のベーリング海で中国艦隊の活動が初めて確認されました(※2)。
北極海の凍結部分の縮小に伴い、海洋資源や新たな航路の確保に向けての動きと見られ、中国海軍の活動範囲は増々拡大しています。
また、兵力30万人の削減についても、230万人にとも言われる中国軍の正確な兵力は分かっておらず、そもそも他国に比べて突出した数です。
中国は、前近代的な軍隊だったものを、ここ10年余りで約10%もの高い伸び率で軍備増強を続けてきおり、単に軍備を近代化した結果、余剰人員が発生するに過ぎないと見ることができます。
それを、中国の軍備拡張に対する世界各国からの批判を和らげるために「削減」と謳ったにすぎず、中国の実態は近代化による軍備拡張そのものです。
左翼マスコミは、「兵力30万人の削減」という点を捉えて、中国の脅威を矮小化するでしょうが、これまでの中国政府の戦法を熟知しておられる、「心ある日本国民」は、このcamouflage(カモフラージュ)に騙されないことを信じます。
※1:9月3日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20150903/k10010214711000.html
※2:同http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150903/k10010214761000.html