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2015/09/01【病院船の必要性を考える】

 9月1日は防災の日です。
この日を中心に全国各地で防災訓練が行われます。

 特に、東日本大震災の教訓を踏まえ、今後、発生する確率が高いとされる東南海地震への備えを万全にしておく必要があります。
その中で、「病院船」の導入を期待する声があります。

 病院船とは、文字通り病院の機能を持った船舶のことです。
東日本大震災のように、海岸部の広い範囲が被災して、被災地域の医療機関が十分に機能しない場合などに、病院船を急行させれば、地上のライフラインの状況に関係なく、自己完結的に医療サービスを提供できます。
 

 現在、日本には本格的な病院船と言える船舶は無く、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦や輸送艦、あるいは救難艦など、医療設備を有し比較的大きなスペースも併せ持つ艦船を、必要な時に病院船として利用するなどしています。
 

 病院船の維持には大きなコストが掛かるため、こうした医療とその他の機能を併せ持った艦船を運用することは財政上メリットがあります。

 一方で、余談かもしれませんが、病院船は、戦時において国際法上、保護する決まりとなっていますが、武装していたり兵員を輸送していたりする船舶は保護の対象とならないので、護衛艦や輸送艦を病院船として利用しても保護の対象にならないということがあります。

 こうしたことを鑑みれば、多数の離島が存在する島国で、かつ地震など自然災害が多発する日本に、病院船を配備することは大きな意味があるのではないでしょうか。

【参考】:内閣府防災担当「災害時多目的船(病院船)」www.bousai.go.jp/jishin/sonota/pdf/h24tamokutekisen_houkokusyo.pdf