ここ数日、世界的に株安傾向が続いています。
中国経済の失速懸念と、それに伴う中国株の下落が、世界的に波及したとも言えそうです。
そもそも、中国は共産党政権でありながら市場経済を導入していることに矛盾を感じますが、市場経済といっても官製の要素が強い市場経済であることは周知の事実であるはずです。
ですから、そうした健全ではない中国経済は、いつかは矛盾が噴出するという前提で付き合っていくべきであり、中国経済の失速にあまり一喜一憂すべきものではありません。
既に中国経済は、いわゆるバブルの状態と言われていますが、中国共産党政権がまがいなりにも国民の信任を得られている背景には、右肩上がりに経済成長を続けてきたということがあります。
今後、もしもバブル経済を軟着陸させることができなければ、国民の不満は中国共産党に向けられることになります。
従って、中国政府はなりふり構わず経済の下支え政策を続けるはずですが、それが功を奏せずに中国経済が失速する事態になった際に憂慮すべきは、経済的な影響だけでなく、軍事的な影響です。
中国政府は、世論の批判を逸らすために、対外的に軍事的な緊張を高める恐れがあります。
それはすぐにでも起こり得ることです。
ですから、日本は抑止力を高めておく必要があるのですが、自衛隊の装備は一朝一夕には増強できません。
そこで、法制度などすぐに整備できるものは整備しておく必要があるのです。
最低限、今国会に提出されている安保法制案は速やかに成立させるべきと考えます。